以前グリーフケアについて学んだことがある。
グリーフとは喪失体験のこと。
当時、東日本大震災被災した人たちと関わることが多く、
心に寄り添うことができたらと受講した。
そこで色んなグリーフ体験があることを知ったんだけれど、
意外だったのが結婚や就職、出産もグリーフ体験だということ。
今までの生活を失う大きな変化だからだという。
これにはほほうと大きく頷いた。
結婚はとても幸せな事だけれど、今までの慣れ親しんだ生活リズムとの別れなんだ。
ちなみに優しいお父さんが急に怒り出すのも、
父親像の崩壊という意味でグリーフになるそうだ。
そう思うと、人間とは日々多くのストレスに晒されながら過ごしているんだなぁ。
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確かに自分の新婚の頃を思い出しても、
楽しい、嬉しい、幸せな反面、
常に一緒にいるストレス、自由にできないストレスは少なからずあった。
仕事で疲れて帰ってきても、同じように疲れて帰っていてる夫の手前、
ダラダラ何もせずに過ごすわけにはいかない。
週に一度のお休みに友達とお茶しに行くのでさえ遠慮してしまう。
地味だけれど不自由おいうストレスを感じていたのは事実。
疲れて帰ってきた時におかえりと行ってくれる家族がいること、
その日の愚痴を聞いてくれる人がいること、
美味しいねと一緒にご飯を食べられる人がいること、
お休みの日の計画を共に相談できること、
結婚したからこそ得られたものだってもちろんあるけれど。
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私は結婚しても仕事をしていたけれど、
独身の頃はバリバリ働き、結婚を機に家庭に入るとなると、
そのストレスたるや想像を超えるものになるんだろう。
自分だけ置いてけぼりになったような感じ、
世間から隔離された感覚にいなるのも当然。
結婚って、嬉しくて楽しくて幸せ。
でも、日常で現実で地味。
そのギャプに苦しくなったり、辛くなったり、落ち込んだり、
そういうことって当たり前なんじゃないかな。
それに加えて新たな土地に嫁いだりなんかしたら、
友達もいない、土地勘もないで、孤独になるのは目に見えている。
新婚なのに。
結婚は幸せなものだ。
そんな誰かが作った常識に自分を責めずに。
「幸せを感じる時間もある」
「2人で過ごせる安心感は何者にも変えられない」
というのと、
「1人だった頃の自由に過ごせた時間も幸せだった」
「自分を表現する場を失った今がたまらなく辛い」
その両方の感情は同居してもいいんだよね。
元々、その2つがセットになっていて、たまたま知らなかったっていうだけだから。
あの頃の私も、今そのギャップに苦しんでいるあなたも。