いつも笑顔で、
きれいな言葉を使い、
優しく気持ちを受け止めて、
ゆっくりと落ち着いて言い聞かせる。
声を荒げることなどせず、
一方的に押し付けることなく、
まして手をあげることなどしない。
大人にとって困るような行動も、
全て成長に大切な過程だと、
大きな心で受け止める。
世の中に広がっている、そんな「正しい」母親像。
険しい表情で、
イライラと怒鳴り、
あんたが悪いとバッサリ切り捨て、
抑えることなど出来ずに叱りつける。
衝動的に大きな声も出れば、
有無を言わさずジャッジするし、
とっさに手が出る時だってある。
大人が困るようなことをすれば、
どうして今なのかとガックリ肩を落とし、
ブツブツ文句を言いながら後始末をする。
そんな私じゃいけませんか?
そんな「間違った」母親は一瞬たりとも出てきてはいけませんか?
あまりに正しさを求めすぎて、
あまりに理想を追い求めすぎて、
そうじゃない自分を責め、
そうじゃない自分を認めずに、
常に自分をジャッジしている。
子育てって、
幸せで、愛おしくて、温かくて、
涙が出るほど嬉しかったりするのと同じくらい、
怒り、傷つけあい、憎しみあって、
涙が出るほど悲しいものでもあるんだよ。
自分が「正しい」母親じゃないから、
自分が「間違った」母親だから、
愛しい我が子にイライラしたり、
大切なのに傷付けたりするんじゃない。
嬉しいことも、悲しいことも、
楽しいことも、腹が立つことも、
全部セットになってるんだ。
だから、
子どもと向き合う中で、
イライラする時間があることを受け入れる覚悟。
ガックリ肩を落とす時間があることを受け入れる覚悟。
泣き叫びたいほどに傷つく時があることを受け入れる覚悟。
ただ、それだけ。